
旅するパティシエななころです。
じつは、私は「小麦アレルギー」なんです。
て言ったら、

は????
とほぼすべての人にとってもびっくりされるのですが、本当なんです。

どういうこと?食べれるの?なんで働けてるの?
この記事に詳しくまとめていきます。
憧れのパティシエ!

小学生のころからなると決めていたパティシエ。
専門学校を卒業して、私はお菓子やパンを作るセントラルキッチンで働くことになりました。
職場環境も良く、シェフや上司の皆さんも厳しくも優しくて、やりがいを感じながら楽しく働いていました。

入ったばかりで全然できないなりに雑用から頑張って、仕上げやウェディングケーキに携わらせてもらったり、これからいろんなことができるようになりたい!!!とやる気MAXでした。
恐怖の手荒れ。

半年ほど経ったころ、手荒れに悩まされるように。
小さいころアトピーだったこともあり肌が弱く、よく荒れていたのではじめはあまり深く考えていませんでしたが、どんどん悪化して、良くなるまでしばらく休むことになりました。
食品を扱う仕事のため、衛生面で手荒れは「ごとき」ではありません。けがをした手や、ひどく荒れた手でお菓子を触って菌がついてしまったら大問題です。
職場でも手の状態などをチェックする検査がありひっかかってしまい、気がついたら私の手はお菓子を作れる手ではなくなっていました。
小麦アレルギー発覚!

休んでいるときに皮膚科へ行ってアレルギー検査をすすめられしたところ、
小麦の数値が跳ね上がっており、

小麦アレルギーですね。
とあっさり言われてしまいました。

え、普通に小麦食べてるし!!今までずっと、触ってきて大丈夫だったのに!
先生に話を聞くと、
- コップに水がたまるように少しずつ少しずつ蓄積して、溢れてしまった。
- コップの大きさはひとそれぞれ違うけど、私はアレルギー体質なので他のものでも触りすぎると発症する恐れがある
- IgEという、アレルギーに反応する抗体の数値が3000以上(異常に高い)
確かに当時私は毎日素手でパンをこねる作業をしていて、それがいけなかったのかな、と思います。
とはいえ、私はコップが小さいので、このときならなくてもどこかのタイミングでなっていたはず、、!
退職。
そしてあっけなく一番最初の職場を退職しました。

良くなっては休んで、、を繰り返したり、小麦は触れません、そのほかの作業しかできません、で迷惑をかけたくない、と思いました。

当時は新卒で視野も狭く、小麦を触れないなんてもう終わり、パティシエなんて無理、なかなか絶望しました。
それから別の業種のいろんな仕事をしたり、旅をしたり、、といろいろあったのですが私のお仕事遍歴についての記事はまた別の記事で。
※後ほど触れますが、小麦アレルギーでもパティシエはできますよ~~!
退職してからもなかなかぐちゃぐちゃになった手が治らず、皮膚科を何件も巡りました。
当時は、ファスナーつきのかばんやポーチが使えないほどでした。

ギザギザが痛くて。シャンプーも地獄でした。
何種類もの薬を試して、運よく自分に合うものが見つかって、抑えられるようになりました。
飲み薬も塗り薬もめちゃめちゃ試した、、!
長い闘いでしたが、合うものが見つかってからは楽です♪
程度は人それぞれ。

私は、触るのは無理ですが、食べられています。
変な話ですが、皮膚がだめみたいです。
そして、実はパティシエで小麦アレルギーは珍しいことではなく、知り合いにもたくさんいます。
パティシエやパン屋さんなど、毎日知らず知らず摂取する量が多い仕事だからこその、職業病でもあるのかもしれません。
そのなかでも、
- 皮膚は大丈夫だけど吸い込んだら咳が止まらなくなる人、
- 花粉症のように目が赤くなったりくしゃみが出る人、
- 食べるのも触るのも一切ダメな人
- 触るのがだめで、手がぐちゃぐちゃというよりは、パンパンに腫れあがる人
など、人によって症状はさまざまです。
また、ずっと食べれていたけど、摂取し続けて、急に一切食べられなくなった、というパティシエの先輩もいます。
食べられなくなるって本当に悲しい。
無理はしないで、対策をしながらうまく付き合っていけたらと思います。
アレルギーってデリケートな問題で、なかなか知る機会もなく理解もされにくいかと思います。私も、食べられるのに触れない、というのが理解してもらえず
本当にアレルギーなのか、厳しい仕事を辞めるためのうそなんじゃないか、というようなことを言われたこともあります。

普通に傷つくし、悩んでる人もたくさんいるので軽々しくそんなこと言っちゃだめですよ~!
小麦アレルギーでもできるお菓子の仕事。
発症した当時は

もうお菓子の仕事できない、今まで頑張ってきたのに!どうしよう!
となかなか絶望していたのですが、
仕事が無理なら趣味で、と、アイシングクッキー作りは続けていました。(後々、それも仕事になりました)

そして私は海外にでたことで、私もパティシエ復活できる!!と確信しました。
私が働いたカナダでは分業制があり、ケーキ屋さんでも
baker=生地を作って焼く人
Cakedecorator=ケーキにデコレーションする人
と求人の時点で完全にわかれていたり、
日本よりアレルギーの理解があり、

小麦触れないなら、他の作業したらいいよ。
とすんなりホテルのパティシエの仕事をGETすることができました。
私のほかにも乳製品がダメなシェフがいたり、できることをすればいい、という職場で、
全員がすべての仕事をできなければいけない、という文化ではなく分業が当たり前な働く文化だから、迷惑をかけるわけでもなく働くことができました。
またグルテンフリー専門店もあり、小麦アレルギーでもいくらでもお菓子の仕事がありました。
帰国して日本でも、無理ではないと気が付きました。
- チョコレート屋さん
- 百貨店のケーキ屋さん(焼き物はせず、仕上げ、組み立てのみ)
- グルテンフリーのお店
- ジェラート屋さん
など、全く小麦ゼロ、は難しくても、
小麦がダメでもそこまで支障がでないお菓子の仕事はたくさんあります。
上手く付き合えるように。

私は現在、手も綺麗になって、手荒れもでたらすぐ抑えることができて、小麦粉を使うことがあっても、問題なくお菓子の仕事ができています。
気を付けていることは
- 直接ふれない。手袋をする。
- ふるうときはマスク。
- 3食小麦はやめる。
- 手が荒れ始めたらすぐ薬で抑える。
です。
いまは大丈夫でも、急に発症することもある小麦アレルギー。なってしまった方も、今同じようになっている方も、うまく付き合って、無理なく好きなことを続けていけたらいいですよね♪
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