
旅するパティシエななころ(@naacookie)です。
最近は日本でも「多様性」「SDGs」などが広く認知され、時代は大きく変わりました。
「オーガニック」をはじめ「グルテンフリー」「ヴィーガン」など食文化にも多様性が広まり、様々な選択肢が増え、消費者の意識もとっても高まっていますよね。

TVでもよく聞くし、たまにカフェにもヴィーガン対応のお菓子がおいてあったりするね!
私は2019年、1年間カナダで働きながら生活をしていました。
移民の国カナダでパティシエという食に関わる仕事をする中で、多国籍な人々との交流を通して食の多様性について多くの学びがありました。

食の志向については様々な見解がありますが、この記事では私個人が経験して学んできたことの中から
「ヴィーガン」についてまとめました。
日本で食に携わる仕事をしている方、海外の食の多様性、志向に興味がある方の参考になれば幸いです。
ヴィーガンってなんだ?
“ヴィーガン”って、最近は日本でもよく耳にしますよね。

なんとなく、健康によさそう?
環境にいいの?SDGsってやつ?
ヴィーガニズム(英: veganism)は、人間ができる限り動物を搾取することなく生きるべきであるという主義。英国にあるVegan Societyの定義によるとヴィーガニズムとは、「衣食他全ての目的に於て‐実践不可能ではない限り‐いかなる方法による動物からの搾取、及び動物への残酷な行為の排斥に努める哲学と生き方を表す。脱搾取主義(だつさくしゅしゅぎ)とも言う
引用元 wikipedia
「ヴィーガン」とは1944年イギリスで生まれた言葉で、ヴィーガニズムにのっとった、
動物由来の食品を食べない、完全菜食主義、
また完全菜食主義者のこと。
“ベジタリアン”はお肉や魚は食べなくても卵や牛乳などは食べるのに対し、
“ヴィーガン”はベジタリアンでありながら,
もっとストイックに、卵や牛乳など動物に由来するものも食べないとされています。
ヴィーガンは、動物からの搾取をやめよう、といった道徳的な観点から、また宗教的観点、最近ではSDGsの影響もあり環境保護の観点からも注目されています。
ただ、私が旅で学んできた中では、ヴィーガンの方は絶対こう!!!というわけではなく、
あくまで個人個人のやり方で実践されている印象でした。
実際に出会った方、お客様の中には、動物由来のものを完全には排除できなくても、
この食べ物だけはとらないでおこう、という方や、
ひとつひとつ調べてかなりストイックに実践されている方、
この食べ物はいいけど、これはダメ、とリストにされている方など、程度や志向は様々でした。
動物性食品とお菓子の関係。

よく使われる、お菓子の材料といえば。
- 卵
- バター
- 牛乳
- グラニュー糖
- はちみつ
- ゼラチン
これらはすべて、動物由来の材料であり、
ヴィーガン対応のお菓子には使えません。
ちなみに、さらにグルテンフリーも加わると、
小麦粉も使えません。

何を作れっていうの、、、!?
従来のお菓子は、ほとんどがだめ、ということになりそうですが、今は植物性の代替品がたくさんあり、海外ではスーパーにも並んでいます。とくにこれだけはどうやっても作れない、、!というものはなかったです。

メレンゲさえ、卵なしで作れてしまうんだよ~~~!

日本でも「プラントベース」を謳った代替商品がたくさんでてきているね!
なんで、白砂糖はいけないの?
グラニュー糖など、白砂糖の原料はサトウキビ。
植物性なのに、なんでだめなのか?

これは、砂糖を白くする精製の過程で、動物の骨が使われているからです。
このように、直接動物性の原料ではなくても、作られる過程で動物性のものが使われていることがあります。そのため、ヴィーガン対応のレシピ、商品を作るには専門知識と慎重な下調べが必要です。

茶色い砂糖でも、精製に動物性のものが使われていることがあるよ!!
とてもストイックなヴィーガンの方もいらっしゃるので、特にお店の商品などは、動物性材料使ってないからヴィーガンOK♪というのは危ないです。
カナダで受けた洗礼。日本人の私だけ、知らなかった。
私はカナダのホテルでパティシエをしていたのですが、一番大変だったことが、なによりもこの「食の多様性」でした。

世界各国から人が集まるホテルだったこともあり、毎日何件も
ヴィーガン、グルテンフリー、ハラールなど
イレギュラーな注文が入りました。
多国籍な同僚たちが慣れた様子で対応する中、
慌てているのは日本人の私だけ。
仕事が終わって、ネットで日本語で調べても情報がでてこない。
そのため英語で検索して翻訳しながら理解したり、英語の本を買ったり、必死で勉強しました。
先進国なのに。日本は遅れている?
今までいろんな国を旅してきましたが、ヴィーガンやグルテンフリーなどは、ブームなどではなく、アメリカ、カナダ、ヨーロッパではもう日常の選択肢、個人の志向として当たり前に溶け込んでいるように感じました。
レストランやカフェでは当たり前のようにヴィーガンオプションがある。
スーパーでは植物性の代用品、プラントベースのミルクやグルテンフリーの粉がずらっとならんでいる。
働いていても毎日注文が入り、お客様から質問を受ける。従業員は当たり前のように知識がある。

日本は先進国なのに、なぜまだそこまで浸透していないのかな?

なぜ今まで勉強する機会がなかったんだろう?
私なりに考察してみた記事がこちらです。
ヴィーガンにはなれなくても。
ここまでヴィーガンについて触れてきましたが、
正直に言います。
私はお肉が大好きです。
動物性食品も大好きで、私はこの先も、ヴィーガンにはなれないと思います。
ヴィーガンの勉強を始めたのは、興味があったからとか、自主的ではなく海外で働く上で必須だったからです。
では何故勉強を続けているかというと、
対応できるようになりたいからです。

海外の方は本当に人それぞれ多種多様な食の志向を持っています。
この先、コロナ禍が明けたらまた日本にたくさん海外からのお客様がこられると思います。
そのときに、ヴィーガンの方がお店選びに苦労したり、日本で食を楽しめなかったり、
お店も知識があれば簡単に対応できることも、知らなくてお断りしてしまったりすると悲しいですよね。
私は旅でお菓子はもちろん、
その地の食を楽しむことが大好きで、
そのために旅にでているようなものです。
日本は治安も文化も歴史も素晴らしい国だからこそ、食の問題で好きになってもらえなかったら悲しいです。
この先、日本人でヴィーガンの人が増えることは現実的ではないかもしれませんが、食の多様性に
対応できるお店、人が増えたらいいなぁと願い、
自分にできることをしていきたいと思います。
ヴィーガンのレシピ開発や、レッスンなども可能ですので、興味がある方はこちらまでお気軽にご連絡ください。
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